2006年04月07日

「危機管理という視点から見た民主党」

 今、日本の社会は、政治・行政・経済団体、そして各企業において、道議に反する事件や不祥事が後を絶たない。
特に企業は、不祥事を起こした場合、社会的責任を問われ、売り上げは落ち込み、株価は低迷し、事業は縮小される。
その対応のまずさによっては、破綻の危機に瀕する場面も少なくない。

そこで、各企業はコンプライアンス(企業倫理と法令の順守)に常に配慮し、努力して行かなければならない。
なぜなら、この『危機管理』は不祥事を防止して、企業が生存して行くために、不可欠な問題だからである。

そして、仮に不祥事が起きた場合、この危機にどのように立ち向かって行くか、次の4つの原則があると言う。
すなわち、@隠さない、A説明する、B決断する、C対策を示す、そして、誠心誠意を持って謝罪することだ。

もちろん、政党と企業を同一視して語ることは出来ないが、今回の偽メール事件に右往左往した民主党のドタバタを、『危機管理』という視点で検証してみた。

 前原代表がメール問題の責任を取って辞任した。
しかも、執行部の総退陣という結党以来の危機と言っても過言ではない。
さらに、永田議員も辞職して全面的な敗北と言った感を否めない。
それなら何故もっと早く永田議員を辞めさせなかったのか、うやむやにした時間を経過させ、国会を空転させたことが、永田議員個人の失態にとどまらず、民主党の責任問題に発展して行ったのだ。
このような結果を招いた原因を、先述した『危機管理』の四原則に、当てはめて考えてみると解りやすい。

まず、@「隠さない」という点だが、最後まで情報提供者の西沢孝氏との関係を隠ぺいし続けた。
本当に虚偽でなければ、堂々と胸を張って自民党を追い込めたはずだ。
これだけでガセネタと言われても仕方ない。

次のA「説明する」であるが、国会でブチ上げておいて永田議員は雲隠れしてしまった。民主党を代表しての質問である以上、野田国対委員長であれ、鳩山幹事長であれ、党を代表する責任ある立場の者が、説得力のある説明をすべきである。
それが出来なかったゆえに、国民の疑惑の目が永田議員ではなく、民主党に向けられた。

Bの「決断する」点であるが、前原代表とそのブレーンだけで、ベテラン議員も含め民主党議員が真剣になって取り組んでいる姿が、国民の前に見えてこない。
むしろ、前原代表は孤立して、決断するのが一ヶ月以上も遅れてしまった。

Cの「対策を示す」であるが、@〜Bまでボタンの掛け違いをしてしまったために、
「さすが若い政党だ、潔い!」
といった、具体的な対策を示す事が出来なかった。
本来は、野党が、政府与党を追求することは当然で、その糾弾が結果として政治に緊張感を与え、改革・改善することが出来たなら、大きな意味で公共の利益に結びつくはずである。

この場合は、多少の国会の空転も国益のためならば国民も納得し許されるだろう。
今回のメール問題事件は、はっきり言って何の意味も公益もなく、ただ民主党の茶番劇に終わってしまい、「四点セット」と言われた、本来議論すべきはずの「重大問題」から国民の目をそらし、政府与党を結果として、擁護してしまったことへの損失は計り知れない。

また、小泉劇場で自民党を圧勝させたマスコミは、またしてもその本質を見抜く力量を失い、現象のみに振り回される報道姿勢を繰り返すことになり、その体質を改めて問われることになった。

 最後に、少し気がかりなのは、世代交代が進みつつある政界が、派閥政治にまた逆戻りしないかとの心配だ。
小泉首相は、次期総理・総裁の条件として、@決断力、A洞察力、B情熱の三点を挙げた。
前原代表に対しても、「これを良い経験として出直し、活躍して欲しい」と余裕とも取れる「労い」の言葉が印象的であった。

健全な、政権交代の可能な、二大政党時代を切り開く為にも、民主党の再建に期待したいと思う国民も少なくないとおもわれる。
今、新聞報道によれば、誰よりも自民党的な、小沢前副代表の名前が、全面に出ているようだ。
もっと民主党らしい、爽やかな人材はないのだろうか。
新鮮味がないばかりか、時計の針が後戻りしてしまうような、何か胸騒ぎがしてならない。


秋 鹿  博
posted by あきしか at 09:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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